酒麹と米麹、どっちが美味しく作れる?甘酒の作り方ガイド

 

1. はじめに

1-1. 実は2種類ある!「甘酒」の作り方

寒い季節になると恋しくなる、ぽかぽかとやさしい甘さの「甘酒」。美容や健康にも良いとされ、“飲む点滴”なんて言われることもありますよね。でも実は、甘酒には大きく分けて「酒麹から作るタイプ」と「米麹から作るタイプ」の2種類があるのをご存じでしたか?

どちらも“甘酒”という名前ですが、原料も風味も、作り方もまったくの別モノ。この記事では、この2種類の甘酒の違いから、自宅での作り方、おすすめの活用法まで、わかりやすくご紹介していきます。

1-2. 酒麹と米麹、それぞれの違いと特徴を知ろう

まず知っておきたいのが、使う「麹」の違い。酒麹(さけこうじ)は酒かすを使ったもので、アルコール分が含まれます。米麹(こめこうじ)は発酵した米を使って作るノンアルコールの甘酒です。

甘さやコク、香りなど、それぞれに違いがあり、どちらが「美味しい」と感じるかは好みによって分かれます。まずは、その違いを知ることからスタートしてみましょう。

2. 酒麹甘酒 vs 米麹甘酒:どう違う?

2-1. 原料・製法・アルコールの有無

酒麹甘酒は、酒づくりの副産物である「酒かす」に水と砂糖を加えて作るのが基本。もともと発酵段階でアルコールが含まれているため、微量のアルコールが残る点が特徴です。一方、米麹甘酒は、蒸したお米に米麹を加え、糖化発酵させることで自然な甘さを引き出すもの。アルコールはゼロで、子どもや妊娠中の方にも安心して飲めます。

2-2. 味わい・甘さ・風味の違い

酒麹甘酒は、やや香りが強く、しっかりめの甘さが特徴。砂糖を加えて甘みを出すため、濃厚でインパクトのある味わいになります。一方、米麹甘酒はまろやかでやさしい自然な甘さ。甘味料を使わなくても、米由来の甘さだけで十分においしく仕上がります。

香りや口当たりの違いもあるので、どちらが好きかは飲み比べてみるのが一番です。

2-3. カラダへの働き&飲むシーンの向き・不向き

どちらも健康効果は高いですが、用途によって向き・不向きがあります。酒麹甘酒はアルコールを含むため、運転前や朝の飲用には不向きですが、体を温めたいときや疲労回復、冷え対策に◎。米麹甘酒はノンアルで、整腸作用・美容・ダイエットサポートにも適しています。朝食代わりや間食として取り入れるなら、断然こちら。

目的や体質、ライフスタイルに合わせて、選び分けるのがポイントです。

3. 甘酒の基本の作り方(米麹編・酒麹編)

3-1. 自宅でできる!米麹甘酒の作り方

【材料】
・乾燥米麹 200g(または生麹 300g)
・炊いたご飯 200g
・水 500~600ml


【作り方】
1. ご飯に水を加え、60℃程度まで冷ます。
2. 米麹を加え、よく混ぜる。
3. 炊飯器の保温モードやヨーグルトメーカーで60℃をキープし、6~8時間発酵。
4. とろみと甘みが出てきたら完成!冷蔵保存で約5日程度もちます。

ポイントは温度管理。高すぎると菌が死んでしまい、低すぎると発酵が進みません。60℃を保つのがコツです。

3-2. 濃厚で香り豊か!酒麹甘酒の作り方

【材料】
・酒かす 100g
・水 500ml
・砂糖 30~50g(好みで調整)


【作り方】
1. 小鍋に酒かすと水を入れ、中火で温める。
2. 木べらでほぐしながら加熱し、滑らかになったら砂糖を加える。
3. 全体がとろっとして、アルコールの香りが立ってきたら完成。

温めすぎないのがポイント。沸騰させると香りが飛んでしまうので、80℃前後で火を止めるのがベストです。

3-3. 失敗しないための温度・時間・保存のポイント

・米麹甘酒は60℃前後をキープして発酵
・酒麹甘酒は焦げやすいので加熱しすぎ注意
・できあがったら粗熱をとって冷蔵保存(どちらも5日以内)
・冷凍保存もOK。製氷皿で小分けにしておくと便利!

初めてでも意外と簡単。自分好みに調整しながら、手作り甘酒ライフを楽しみましょう。

4. 甘酒のアレンジ&活用術

4-1. 朝ごはんに◎ 甘酒スムージー&グラノーラ

朝のエネルギー補給にぴったりなのが、甘酒スムージー。米麹甘酒とバナナ、豆乳をミキサーで混ぜるだけで、自然な甘さと栄養たっぷりの1杯が完成。冷凍ベリーやきな粉を加えれば味に変化もついて飽きません。

また、無糖ヨーグルトに甘酒をかけ、グラノーラやナッツをトッピングする“甘酒ボウル”もおすすめ。ヘルシーなのに満足感のある朝食になります。

4-2. 調味料として活躍!料理への取り入れ方

甘酒は“飲む”だけではありません。自然の甘みを活かした調味料として、料理にも大活躍します。たとえば、照り焼きのたれに加えると、コクのあるやさしい甘みがプラスされ、味がまろやかに仕上がります。

ドレッシングや煮物、そぼろの味付けなど、砂糖の代わりとして使うことで、健康的かつ深みのある味わいに。糖質を控えたい人や、子どもの食事にもぴったりです。

4-3. デザートにも!甘酒プリン・アイス・焼き菓子

甘酒はスイーツにも最適。米麹甘酒と豆乳、ゼラチンを合わせて冷やせば、甘さ控えめのヘルシープリンに。酒麹甘酒を少し加えたアイスクリームは、コクのある大人味に仕上がります。

また、甘酒を加えたパウンドケーキやスコーンは、しっとり感が増してふんわり仕上がるのがポイント。乳製品や砂糖を控えたいときの代用としてもおすすめです。

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5. 市販甘酒との違いと、手作りの魅力

5-1. 手作りならではの“やさしい甘さ”と安心感

市販の甘酒は手軽で便利ですが、手作りには手作りならではの魅力があります。まずは、自然な甘さ。米や麹が持つ本来の甘みがじんわり広がる、やさしい味わいです。砂糖や香料に頼らない分、体にもやさしく、素材の味がしっかり感じられます。

何が入っているかわかる“安心感”も、手作りならではの大きな魅力です。

5-2. 添加物・砂糖なしでも満足感のある味わい

市販品には、保存料や糖類が加えられていることもありますが、手作りなら完全無添加で仕上げることが可能。それでもしっかり甘く、満足感のある味に仕上がるのが、麹のチカラ。

糖質やカロリーを気にしている人にも、自信をもってすすめられるナチュラルドリンクになります。

5-3. 好みに合わせて“自分仕様”にできる楽しさ

自分好みに甘さを調整したり、雑穀米や黒米を混ぜて風味に変化をつけたりと、手作りならではのアレンジが自由自在。「今日はとろとろ濃厚タイプ」「次はさっぱりさらさらタイプ」など、飲みやすさや気分に合わせてカスタマイズできるのが楽しいポイントです。

一度作ってみると、思っているより簡単で、リピートしたくなる人が多いのも納得です。

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6. まとめ

6-1. 酒麹も米麹も、どちらにも魅力あり!

甘酒には、「酒麹」と「米麹」の2つのタイプがあり、それぞれに特徴と魅力があります。アルコールがOKなら香り高い酒麹、日常的に取り入れたいなら米麹甘酒。どちらも健康や美容にうれしい栄養が詰まった、体にやさしい飲み物です。

6-2. 目的や好みに合わせて、甘酒ライフを楽しもう

甘酒は“飲むだけ”の存在から、“料理にも使える万能発酵食品”へと進化中。体調や季節、シーンに合わせて、自分にぴったりの甘酒ライフを楽しんでみてください。手作りにチャレンジすれば、そのおいしさと奥深さにきっとハマるはずです。