モッティの奇妙な冒険 第4話:そこに壁があった
30数年前、テレビを見ていたら落書きだらけのコンクリート壁によじ登り、ハンマーを振るって暴れている人の映像を見た記憶があります。
今から思えばあれはベルリンの壁の崩壊。私がドイツという国を認識した瞬間でした。
ドイツとの縁はここから始まり・・・という程の関係性は未成年の頃はなく、サッカーを見る、フランクフルトソーセージを食べる、バームクーヘンを食べる、ハンバーグを食べる、プレッツェルをたべる等々、食べてばっかりの関係性でした。
高校生になった頃にドイツ語の会話を聞く機会があり、何を言っているのかはさっぱりわかりませんでしたが、スタッカートの効いた独特のリズムの会話でインパクトがありました。また、哲学や医学系の本を見た(読んではいません)時にドイツ語の単語が多かったように思います。
何となく憧れのようなものをもち、ドイツやスイス、オーストリアといったドイツ語圏の国をいつか旅をしてみたいとこのころから漠然と思うようになりました。
長い前置きになってしまいましたが、大学でついうっかり「何となく憧れ」という理由で第二外国語にドイツ語を選択してしまったのです。
後悔・・・もとい挑戦の始まりでした。男性名詞、女性名詞、中性名詞、そして格変化。中間テストは「ドイツ語の歌」を歌う事。(選曲は自由、踊ると加点なのだとか・・・)耳を疑うとはまさにこの事。聞いた瞬間に心臓がスタッカートを刻み始めたのは言うまでもありません。今思い出しても鳥肌が・・・
赤点スレスレで何とか単位はきたものの(期末テストは筆記)、私とドイツ語との間には既に崩壊したはずのあの壁が確かにあったのです。
それから10数年後の現在、私とドイツの進展(?)ですが、もっぱらサッカーとビールに時々ハンバーグという、つかず離れずという関係性を保っています。
しかし、ドイツ、という単語を見ると未だに上記の話を思い出してしまうのです。
でもいつか訪れてみたいものです。