【Chef's advice】〈第7回〉「平瀬祥子パティシエのまかない」を伝授していただきました。〈焼き茄子/レシピ/作り方〉
今回のテーマも「シェフたちのまかない」です。
まかない・・・シェフたちが仕事の合間、終わってから食べる食事のことですが、
ちょっと気になりませんか?
今回は、平瀬祥子パティシエのまかない。シェフのまかないとちょっと違うんですよ!
乞うご期待❤
平瀬パティシエに、いつもどのようなまかない召し上がっていますか?
と、お聞きしたところ
東京のレストランローブでのシェフたちとのまかないと、金沢の自身のスイーツのお店
花鏡庵のまかない、結構違うんですよ
と、とても興味深いお答え。
フランスでお仕事されていた経験もある平瀬パティシエは、
国によってもまかない違うかも・・・
とも。
ということで、今回は平瀬パティシエのまかないと、「まかない」裏話を
お伺いしました。
まずはじめに・・・
パティシエは、まかないみんなでつくって食べないことが多いんですよ
と、意外な答え。
なぜですか?とお聞きすると、
レストランのように食べるスペースがないことが多いのと、休憩時間も
みんな一斉にとれないから、各自お弁当を持ってきたり、どこかで買ってきたり・・・。
でも、フランスではパティシエもまかないあったんですけれどね。
確かにいわゆるケーキ屋さんは、お店の休憩時間もないですよね。
さらに、スイーツも仕込みをする人、焼く人、仕上げをする人・・・
それぞれバラバラの時間になるのかもしれません。
でも、金沢のお店「花鏡庵」は、みんなで食べるスペースも
あるので、まかないをつくって食べることにしました。
それぞれが黙々と仕事をするから、1日誰とも話さないこともあるので
もっと話したいなと思い。
と、平瀬パティシエ。
6月に放映された「情熱大陸」にも、平瀬パティシエのチームのみなさんが
みんなでごはんを食べているシーンがありました。
まかないは、一般的にはそのお店で一番若い人たちがつくることが
多いそうなのですが、パティシエになると、
スイーツはつくるけれど、料理はあんまり・・・という人も多いそうです。
なので、花鏡庵(金沢)では、平瀬パティシエが、つくることも多いと言います。
でも、その時間が大切なコミュニケーションの時間になっているので
続けたいなと思い、お店の休憩時間をつくったそうです。
現在は、午後1時から2時までは、お店はいったんクローズ。
午後1時までにスイーツを販売し、2時からカフェ営業なのだとか。
このような発想も、平瀬パティシエが、レストランでのお仕事をなさっているからこそ。
そのことを知ってか、ご近所の市場さんも食材の差し入れをしてくださることも
あるとか・・・。
一方、東京のレストラン ローブでは、スタッフの方たちが日々まかないを
つくってくださるそう。
この日のまかないは、平瀬パティシエのお料理
まず、茄子のお料理。
焼き茄子には唐辛子とローリエを加えた甘辛のたれで漬けて、豚のゼラチンと筋をのせ、
大根おろしを添えたもの。上に散らしているのは、赤紫蘇。
平瀬パティシエのレストランでのデザートは、野菜もよく使われてお料理の一品とも
いえそうなものも数多くあります。
次のサンドイッチは、チキンのサンドイッチ2種
写真左は、マスタード、はちみつ、醤油につけて焼いたチキンとレタスをはさんだもの
右は、鶏もも肉をパリッと焼いて、トマト、玉ねぎをマリネしたものをはさんだもの
パンは、レストランの自家製だそう。
最後の一品は、シュークリーム。
といっても、カスタードクリームやフレッシュクリームではなく
なんと、お芋のピュレと、カレークリームなんだそう。
発想がなんとも、平瀬パティシエのアート感覚そのものですね。
レストランでの一品にもなりそうです。
平瀬パティシエご自身も、最初は、スイーツは作れたけれど、料理はあまり作らなかったと言います。
シェフたちに習ったのですか?と聞くと、
料理人から料理を習うと難しいんですよ。
スイーツはきっちり分量を量ってつくらないと作れないけれど、
料理はシェフにもよりますが、その日の食材によって
変わったり、感覚でこれかなあということが多くて。
「SUTEKIプロジェクト」チームの中山シェフと一緒にお仕事していたときの
思い出でもあるんですが、
これを、ぎゅっとして、ガっとして、ささっとしたらいいよ・・・
こんな感じでよくわからなかった(笑)
フランスでのまかないの思い出はありますか?
と、お聞きすると
あるシェフは、3日も前からまかないを仕込んでる(笑)
鶏一羽まるごととか・・・。
どうしてこれをつくったんですか?と聞いたら
いやー、これが食べたかったんだよって。
もちろんワインも開いて・・・楽しい思い出です。
まさにおいしいものは人を幸せにする・・・ですね。
食べるものをつくる人がまず元気でないと
おいしいものはつくれないということの原点のようなエピソードですね。
<平野祥子パティシエ直々のレシピ>
今回は『焼き茄子の一皿』を伝授いただきます!
スイーツではないので、細かい分量がなくてすみません!とのこと・・・
------------------------------- 今回のPOINT -----------------------------------
「レシピにとらわれ過ぎないないこと」です。
あくまで自分の『美味しい』という感覚とそれを『食べさせたい』
という気持ちを大切にしましょう。
ぜひ皆さん自身のお好みの味をみつけてください。
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◇材料
・茄子
・大根(おろし)
・肉の筋(お店ではお料理につかったものだそうなので、おうちでは牛筋などを煮たものがよいかもしれませんね)
・ローリエ、唐辛子、醤油、砂糖(それぞれ適量)
・赤紫蘇(マイクロ)
◇下ごしらえ
1)大根をおろしておく
茄子のつけダレをつくっておく(分量は好みで)
牛筋を用意しておく。
◇さあ、料理開始です
2)茄子を焼きます
3)焼きあがったら、食べやすい大きさに切って、つけだれにつける。
4)大根おろしと、赤紫蘇を添える。
これで、出来上がり。
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【平瀬祥子パティシエの詳細メモ】
〈焼き茄子〉
・レストランのメニューに出している豚頭から出た出汁をもらい、ゼラチン質が多いためそこに唐辛子とローリエを加えて漬け汁にしています。
・グリルした焼き茄子を一晩漬け込みます。
・翌日にスジアラを捌いていたので、そこから出た魚卵と筋っぽい所を塩水につけて、バターでオーブン焼きにしたものを焼きナスに添えています。
・翌日味見したら豚頭の出汁が若干重かったので、大根おろしと赤紫蘇を散らしました。
〈サンドイッチ〉
・ピタパンの生地を作って、一種は鶏むねを低温調理してマスタード、ハチミツ、醤油に絡めて漬け込んでいます。もう一種は上記の通りです。
〈シュークリーム〉
・スタッフの作ったカレーのあまりを貰って作りました。
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いかがでしたか?
茄子の美味しい季節ですので、焼き茄子+αで、ごちそう焼き茄子になりそうですね。
ぜひ、おうちでも作ってみてください。
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〈文・小池美枝〉