パティシエ SHOKO HIRASEの視点【第3回】サブレ缶には、私たちの愛が詰まっている

アーティスティックでオーセンティックなスイーツをつくる平瀬パティシエ。

食材に対する探求心や愛、食材の組み合わせ、

アートなまでの繊細で大胆な作品(スイーツを超えて、もはや作品!)

その裏に秘めた発想や想い、日頃考えていることなど、

平瀬パティシエを深掘りする「パティシエ SHOKO HIRASEの視点」です。

 

第3回は、「サブレ缶には、私たちの愛が詰まっている💗」

先週、日本橋三越でフランス展があり、平瀬パティシエも参加されていました。

そこで、見つけた限定サブレ缶が、あまりにも素敵で

今回はサブレについてお話を聞かせていただくことにしました。

 

フランス展にだされていたサブレ缶が素敵だったので、次回、サブレについて

平瀬パティシエの視点、お話伺えますか?

 

と、お願いすると、

写真を何点か先に送ってくださった平瀬パティシエ。

 

その時の最初の2枚が次の写真。

サブレ缶は、2種類つくられたのですか?

と、お聞きすると、

 

  1種類ですよ。

  2段です! 21種類のサブレが入っているんですよ。

 

と、おどろきの答え。

 

1缶に21種類も!

思わず、

これ、相当大変だったのではないですか?

 

と、お聞きすると

 

  はい。相当。(笑)

  連日スタッフたちが、朝3時まで帰れなくて、しかも次の朝からまた焼いて。

  でも、サブレ缶て、1段食べ終わったら、あっ!まだ1段あった!

  下に違う味がある!っていう

  うれしいおどろきが好きなんですよ。

 

と、とってもうれしそうな声の平瀬パティシエ。

缶も素敵ですねというと、

 

  元々、缶をデザインしてくださった吉村茉莉さんの赤絵細描の九谷焼が好きだったんです。

  彼女の作品はどれも好きで、憧れていました。

  でも、お店の食器のイメージとも違うし、自分のテイストともちょっと違うかなって、使えなかったんです。

  それで、今回サブレ缶をつくろうという企画になったときに、

  吉村さんにお願いしたいなと思って、依頼しました。


  実は、吉村さんは、お店の器をお願いしている伝統と革新の新しいモノづくりをしている

  クリエーター集団「secca」の柳井さん(陶芸家)の奥様でもあるんですよ、

  花鏡庵にもいらしてくださったりして。

  そんなご縁もあって、今回缶のデザインをお願いしました。

  缶がとっても素敵だから、中をみたら、

  あら~普通。中は要らない・・・とか言われないように、

  おいしいもの作りたいなって。

 

その素敵な缶をみていたら、21種類のサブレがひらめいた平瀬パティシエ。

上の段は、米粉をつかったサブレの数々。

しっかりした生地をベースに、ドライフラワーやフレーバーティなどの香りを

練りこんで焼いたサブレ。

マーガレットの花のモチーフのサブレは、カモミールの香り。

小さな梅のような形のサブレは、ブルーベリー。

 

ブルーベリーのお花もこんな形をしているんですよ、と、平瀬パティシエ。

 

星型のサブレは、ラズベリーやピーチ

蝶々は、ブラックベリーと竹炭。

 

ここまででも、うきうきしてしまうのに、

食べ終わったら、もう1段💗

 

下段の写真上がクラシックなサブレたち。

平瀬パティシエがフランスで修業していたときに、覚えた味ばかり。

サブレブルトン、フロランタンなど・・・。

写真下は、ローズマリーや魚汁など、しょっぱい系のサブレ。

こんなにたくさんのサブレ、開発にどれくらいかかったのですか?

と、お聞きすると

 

  1ケ月くらいかな。

 

そんなにすぐにできたんですか。すごい!

この繊細なサブレの型も全部持っていたそうです。

 

普段、フレンチ料理のデセール(デザート)をつくっていらっしゃる

平瀬さんからみたサブレの思い出とか、こだわりとかありますか?

 

  焼き菓子に精通している方からみたら、

  わたしのサブレは、クラシックじゃなくて、感覚的かな。

  味わいも、香りをいっぱい使うところも。

  特に、香りを楽しむサブレ缶にしたかったので、

  スタッフたちにお願いしたのが、焼いたその日に缶に詰めてほしいということ。

  焼きたてを詰めることで、缶をあけたときに、ふわーっと香る

  それぞれのサブレを楽しんでほしいなと思いました。

 

  開けたときにふわーっと香るその香りは、私たちの愛です❤

  その愛に包まれてサブレを楽しんでもらえたら。

 

なんとも素敵なメッセージ💗💗💗

平瀬パティシエの愛、欲しいですよね。

東京での販売は終わってしまったので、

あとは、熊本鶴屋フランス展(10月18日-24日)

名古屋名鉄 加賀能登特産名品展(12月6日—12日)

2024年1月に、阪急百貨店を予定しています。

 

今のところ、オンライン販売の予定はないので、

上記催事にお近くの方がチャンスです。

 

平瀬パティシエの、子供のころの思い出の2段クッキー缶が、今回のサブレ缶のルーツだそう。

このサブレ缶を食べた思い出をもつ子供たちが、将来パティシエになったら

どんなサブレ缶をつくるのかな。

サブレ缶には、夢がある。愛がたくさん詰まってる💗

そんなことを思い描いた取材でした。

 

次なる平瀬パティシエの視点はなんだろう?

楽しみ、楽しみ💗

 

 

to be continued…

次回もお楽しみに!

 

(文 小池美枝)